生活習慣病とは毎日の生活習慣（食事の偏り、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレス）が原因で起こる病気のことです。代表的なものには高血圧症、糖尿病、脂質異常症、痛風などがあります。これらの病気は、初期にはほとんど自覚症状がないため気づきにくいのが特徴です。しかし、放置すると心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる重篤な病気を引き起こす可能性があります。当院では、生活習慣病の診断・治療・予防を行い、患者さま一人ひとりに合わせた健康管理のお手伝いをしています。

高血圧症

高血圧症は、血管に常に強い圧力がかかる状態が続く病気です。血圧は140/90（家庭血圧135/85）よりも高い場合は高血圧症と診断されています。放置すると血管が傷つき、動脈硬化を起こすと脳卒中や心筋梗塞、腎臓病 など重篤な疾患へと繋がります。多くの場合、自覚症状はありませんが、頭痛・肩こり・動悸などを感じる方もいます

原因

偏った食習慣、塩分の多い食事、運動不足、ストレス、肥満、喫煙、遺伝的要因。

予防・治療

バランスの良い食事（減塩）、運動習慣をつける、体重管理、投薬治療、血圧の自己測定。

当院では血圧手帳をお渡しして、ご家庭での朝夕の血圧測定を推奨しています。病院で血圧を測ると高めに出る方の場合は特にご家庭での血圧が重要だと考えています。血圧が目標数値になるように生活習慣の改善、投薬の管理を行います。血圧が安定してくると、治療の成果を実感しやすくなります。

糖尿病

糖尿病は血液中の 血糖値（血液中のブドウ糖の値） が高くなりすぎる病気です。高血糖状態が慢性的になると血管へ深刻なダメージを与えます。 神経障害、腎臓病、失明、心臓病 などの合併症を引き起こす可能性があります。また、糖尿病の方は突発的な病気が治りにくく悪化しやすい傾向です。 自覚症状の訴えとして多いものは、のどが渇く、排尿回数が増えた、疲れやすい、体重が減ってきたなどがあります。

原因

食生活の偏り（甘いものや炭水化物の過剰摂取）、運動不足、肥満、遺伝的要因。

予防・治療

バランスの良い食事（糖質を適量に）、運動習慣をつける、体重管理、投薬治療。

脂質異常症（高コレステロール血症・高中性脂肪血症）

脂質異常症は血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高くなりすぎり病気です。この状態が続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが高まります。自覚症状は特にない場合が多いです。

原因

食習慣の偏り（脂肪分の多い食事：揚げ物、肉の脂身など）、運動不足、喫煙・飲酒、遺伝的要因。

予防・治療

野菜や魚を多くとる食事、適度な運動（軽い有酸素運動を継続）、禁煙・節酒、投薬治療。

痛風

痛風は、血液中の 尿酸 が増えすぎることで関節に結晶がたまり、激しい痛みを引き起こす病気です。特に足の親指の付け根などに強い痛みが出ることが特徴です。痛風発作が起こらずとも、尿酸値上昇が慢性的に続くと腎臓を傷つけ腎機能に異常が起こる原因になったり、動脈硬化が進行し心血管疾患で死亡する原因となったりすることがあります。

原因

食習慣の偏り（プリン体を多く含む食品：内臓類、魚卵などの過剰摂取）、飲酒（特にビール）、運動不足、肥満、遺伝的要因 。

予防・治療

プリン体の少ない食事（アルカリ性野菜や大豆製品を摂取する）、水をしっかり飲む（尿酸を排出しやすくする）、適度な運動（急な運動は避ける）、投薬治療。
 

そのまま放置していませんか？生活習慣病のサイン

生活習慣病は、症状が軽いうちは自覚しにくいため、つい放置してしまいがちです。しかし、気づかないうちに病気は進行し、ある日突然、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など重大な症状として現れることもあります。 健康診断で異常を指摘された場合は、放置せず、早めに受診しましょう。